Ayurveda
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Ayurveda

The Medical Science

A compendium of Ayurvedic medicine covering diagnosis, treatment, herbal remedies, surgical principles, and preventive healthcare.

Adhyayas in Ayurveda

Adhyaya 279

Chapter 279 — सिद्धौषधानि (Siddhauṣadhāni, “Perfected Medicines”) — Colophon/Closure

本章は、先行する医術部「シッダウーシャダーニ」(Siddhauṣadhāni「成就された薬・完成薬」)の正式な結語(コロフォン)として機能する。プラーナ文献の編纂法において、この終止標は単なる編集上の印ではなく、アグネーヤの百科的学統の中で、一つの独立したアーユルヴェーダの vidyā が完結して伝授されたことを告げる。章名を掲げて終わりを封じることで、医術は教授・保存・継承し得る権威ある śāstra として位置づけられる。続いて直ちに「一切の病を除く薬」の教説へ移る準備が示され、専門的な完成処方から、より普遍的で予防的・調和的な方策への転換が明確となる。『アグニ・プラーナ』の samanvaya(総合融通)の方法により、医の知は実用であると同時に聖なるものとして語られ、身体の安定を支えて心を堅固にし、dharma と信愛(バクティ)へと導く。

48 verses

Adhyaya 280

Chapter 280 — रसादिलक्षणम् / सर्वरोगहराण्यौषधानि (Characteristics of Taste and Related Factors; Medicines that Remove All Diseases)

本章はアーユルヴェーダを護国の王者の学として位置づける。ダンヴァンタリは、rasa(味)、vīrya(薬力)、vipāka(消化後の作用)を究め、さらに prabhāva(時に言語化し難い特異作用)を見分けるなら、医師は王と社会を守護できると説く。六味をソーマ由来とアグニ由来に分類し、vipāka を三種、vīrya を熱性/冷性と定め、蜂蜜のように「味は甘いが vipāka は辛い」といった例外を prabhāva によって解明する。続いて薬剤学へ移り、kaṣāya/kvātha の煎じ詰め比率、snehapāka(薬油・薬脂の煮製)と lehya(練り薬・エレクチュアリー)の要則を示し、年齢・季節・体力・消化火 agni・土地・薬物・病に応じた個別の用量調整を求める。最後に養生と予防へ広げ、upastambha 三支(食・睡眠・性の節度)、滋養と消耗の療法、季節に応じた按摩と運動の規範、そして食の清浄こそが agni と人の力を支える根本であると述べ、医術をダルマにかなう規律ある生活と統合する。

33 verses

Adhyaya 281

Vṛkṣāyurveda (The Science of Plant-Life) — Tree Placement, Muhūrta, Irrigation, Spacing, and Plant Remedies

本章は味(rasa)の論からヴリクシャーユルヴェーダ(Vṛkṣāyurveda)へ移り、園芸をダルマにかなう学として説く。ダンヴァンタリは吉祥樹の方位配置を示し、plakṣaは北、vaṭaは東、マンゴーは南、aśvatthaは西/水辺に置くとし、南側の棘ある繁茂を戒め、胡麻や花木を植えて補う法を述べる。植樹は浄化の礼拝を重んじ、ブラーフマナを敬い、月、恒星、方位、特定の神格を供養し、適切なナクシャトラを選び根を丁重に扱う。地の繁栄のため水の扱いも儀礼化され、流れを導き蓮池を築き、貯水を始めるに良い月宿が列挙される。続いて実務として、季節ごとの灌水、最適・中程度の株間、移植の限度、結実不良を防ぐ剪定が説かれる。最後に植物の療法として、vidangaを混ぜたギーの塗布、穀類・豆類の補助、乳とギーでの灌水、糞肥と粉の施用、発酵肉水や魚水などを挙げ、活力回復・病害抑制・開花結実の促進を目的とする。

13 verses

Adhyaya 282

Chapter 282 — नानारोगहराण्यौषधानि (Medicines that Remove Various Diseases)

本章は、アグネーヤの百科的枠組みにおいて、ダンヴァンタリの医権威に拠り、諸病を除く薬方を手引きの形で集成する。まず小児の養生として、乳児の下痢・乳に由来する障り・咳・嘔吐・発熱に用いる煎剤や舐薬を説き、ついで知慧を養うメーディヤ(medhya)の強壮薬と、クリミ(寄生虫)を除く処方を挙げる。さらにアーユルヴェーダの主要な投与法として、鼻療(nasya)による鼻血と頸部腫脹の治、耳への充填による耳痛の治、カヴァラ(含嗽・うがい)による舌口の病の治、そして外治(udvartana、lepa、薬捻子の貼付、薬油)による皮膚病と創傷の治を順に述べる。加えて、prameha(尿・代謝の病)、vāta-śoṇita(痛風様)、grahaṇī、pāṇḍu と kāmala、raktapitta、kṣaya、vidradhi、bhagandara、排尿困難と尿路結石、浮腫、gulma、visarpa などの全身病も扱う。結びでは、トリファラー(triphalā)を中心とするラサーヤナ風の延命の説と、薫蒸・奇観の示現・ṣaṭkarman など成就(siddhi)に関わる儀礼技術の覚え書きを添え、医薬と儀礼力と人生の目的(puruṣārtha)を融和させるプラーナの特色を示す。

51 verses

Adhyaya 283

Chapter 283 — Mantras as Medicine (मन्त्ररूपौषधकथनम्)

ダンヴァンタリが説く本章は、医術をマントラ治療(mantra-cikitsā)として捉え直し、聖なる音声を āyus(寿命)と ārogya(無病)を増し、特定の局面で守護をもたらす直接の療具と示す。Oṃ は至上の真言と宣言され、ガーヤトリー(Gāyatrī)は bhukti(世間の福楽)と mukti(解脱)の双方を授けると讃えられ、健康と解脱が結び合う成果であることが章の中核となる。続いて、ヴィシュヌ/ナーラーヤナ(Viṣṇu/Nārāyaṇa)の真言と神名の称名(nāma-japa)が、状況に応じた処方として列挙される。すなわち勝利、学知(vidyā)、恐怖の除去、眼病の軽減、戦場での安全、水を渡る守り、悪夢の防護、火難などの危急における救済である。さらに、衆生への慈恵とダルマそのものが「大いなる薬」と呼ばれ、倫理的実践が治癒の付随ではなく本体であることが明示される。結びに、正しく用いられるなら、ただ一つの神聖な御名でさえ所期の治療・護身の目的を成就し得ると断言する。

13 verses

Adhyaya 284

मृतसञ्जीवनीकरसिद्धयोगः (Mṛtasañjīvanī-kara Siddha-yogaḥ) — Perfected Formulations for Revivification and Disease-Conquest

本章は、前章の「真言によって成る薬」から、アーユルヴェーダの新たな集成へと厳粛に移り、アートレーヤに帰せられダンヴァンタリが再説したシッダ・ヨーガ(成就した処方)を掲げる。意図は百科全書的かつ実務的で、主要な病類にわたる治療規程を列挙する――jvara(熱病)、kāsa-śvāsa-hikka(咳・呼吸困難・しゃっくり)、arocana(食欲不振)、chardi-tṛṣṇā(嘔吐と渇き)、kuṣṭha・visphoṭa(皮膚病と水疱)、vraṇa・nāḍī/bhagandara(創傷と瘻孔/肛門周囲膿瘍)、āmavāta・vāta-śoṇita、śotha(浮腫)、arśas(痔)、atīsāra(下痢)、kṣaya(消耗)、婦人病、眼病。処方は剤形と手技により整理され、kvātha(煎剤)、cūrṇa(散)、ghṛta(薬用ギー)、taila(薬用油)、lepa(塗布膏)、guṭikā(丸剤)、añjana(点眼薬/コーリリウム)、nasya(鼻療法)、seka(灌注/洗浄)、vamana・virecana(催吐と瀉下)が説かれる。結びに、瀉下による浄化療法、とりわけ「ナーラーチャ」処方を最上と讃え、スシュルタの証言として、これらのシッダ・ヨーガが万病を滅する普遍の法であり、治効をダルマにかなう生命護持とサーダナー遂行の力に結びつけると宣言する。

77 verses

Adhyaya 285

Kalpasāgara (Ocean of Formulations) — Mṛtyuñjaya Preparations and Rasāyana Regimens

本章は、前章の Mṛtasañjīvanī(「死より甦らせる法」)の結びを示して始まり、続いて本単元を Kalpasāgara(医方の「海」)として提示する。伝統の典型的医師であるダンヴァンタリ(Dhanvantari)の語りにより、āyurdāna(長寿を授ける)と rogaghna(病を滅する)を目的とする Mṛtyuñjaya 系の調製法が説かれる。処方は rasāyana 的養生を重視し、Triphalā を段階的に増量して用いること、bilva 油・胡麻油・kaṭutumbī 油による nasya(鼻滴法)を定められた期間継続すること、さらに蜂蜜・ギー・乳を媒(アヌパーナ)として長期服用する法を挙げる。nirguṇḍī、bhṛṅgarāja、aśvagandhā、śatāvarī、khadira、neem-pañcaka などの薬草に加え、kumārikā と合わせる煆銅や硫黄など鉱物・金属製剤も列挙され、しばしば乳または乳粥に限る厳格な食餌規定が伴う。終盤では Yogarājaka の投与法の選択肢と、真言による加持「oṃ hrūṃ sa」を明示し、これらの kalpa が神々や聖仙にも尊ばれると結んで、Pālakāpya の gaja-āyurveda(象の医術)を含む広大なアーユルヴェーダ伝統へと接続する。

24 verses

Adhyaya 286

अध्यायः २८६ — गजचिकित्सा (Elephant Medicine)

本章は前章からの正式な移行として、王家の象舎と戦場での勝利に不可欠なアーユルヴェーダの専門分野「ガジャ・チキツァー(象の医療)」を説き起こす。パーラカーピヤがローマパーダに語る形で、まず吉祥で奉仕に適う象の徴(ラクシャナ)—爪の数、ムスト(musth)の季節性、牙の非対称、声の質、耳の広さ、皮膚の斑点—を定め、矮小や奇形の象を退ける。続いて象の管理を王法(ラージャダルマ)と軍事的勝利に結びつけ、征服は規律ある戦象と整然たる陣営規定に依ると強調する。治療は実務的順序で示される:環境整備(隙間風のない場所、油剤塗布に適した場)、外治(肩部の療法、按摩)、内服(ギー/油の製剤、煎剤、乳、肉汁)と、諸病への個別処置—pāṇḍu様の蒼白、āṇāhaの膨満、失神、頭痛(鼻療nasyaを含む)、足病、震え、下痢、耳腫、咽喉閉塞、尿閉、皮膚病、虫病、消耗性の病、疝痛、膿瘍の処置(切開から油剤・浣腸へ)—である。末尾は食餌と養生(穀類の序列、強壮飼料、季節の撒水)で締めくくられ、さらに勝利のための薫蒸、洗眼とコーリリウム、真言に結びつく眼力の加持という武事・儀礼層を保存し、『アグニ・プラーナ』特有の医術・兵学・聖なる効験の融合を示す。

33 verses

Adhyaya 287

अश्ववाहनसारः (Aśvavāhana-sāra) — Essentials of Horses as Mounts (and Horse-Treatment)

本章はダンヴァンタリが説き、馬を繁栄と護りをもたらすダルマ的な器と位置づける。馬を得て養うことは、ダルマ・カーマ・アルタを支えるとされる。冒頭では運用の吉祥を述べ、馬の導入・使用に適したナクシャトラとしてアシュヴィニー(Aśvinī)、シュラヴァナ(Śravaṇa)、ハスタ(Hasta)、および三つのウッタラー(Uttarā)を挙げ、季節はヘーマンタ(Hemanta)、シシラ(Śiśira)、ヴァサンタ(Vasanta)を良しとする。続いて倫理と実務—残酷を避け、危険な地形を避け、急な打擲ではなく手綱の制御によって段階的に調教する—を教える。中盤では武的騎乗術と儀礼的護身が結び合わされ、身体各部への神格の安置(ニャーサに類する)や、不吉ないななき、ならびにサーディー(sādī)と呼ばれる症状への真言の用法が説かれる。後半は訓練の機構を体系化し、座り(鞍上の姿勢)、手綱の協調、旋回、抑止法、名のある技法を列挙し、さらに初歩の獣医処置(疲労や虫刺されへの塗布薬、特定の品種への粥状飼料)を示す。結びに、バドラ(Bhadra)、マンダ(Manda)、ムリガジャンガ(Mṛgajaṅgha)、サンキールナ(Saṅkīrṇa)の馬類型、吉凶の徴、そしてシャーリーホトラ(Śālihotra)伝統に基づく馬相教授の予告が述べられる。

66 verses

Adhyaya 288

Chapter 288 — अश्वचिकित्सा (Aśva-cikitsā) | Horse-Medicine (Śālihotra to Suśruta)

本章は、アーユルヴェーダの枠内で、ŚālihotraがSuśrutaに授ける馬学の教えを述べる。まずaśva-lakṣaṇaとして、体相・毛色の類型・毛の渦(āvarta)の位置により吉馬と凶馬を見分け、graha/rākṣāなどの悪しき影響への警告を示す。次にcikitsāに移り、馬に多い病—疝痛(colic)、下痢/atisāra、疲労、koṣṭhaの障害に対する瀉血、咳、発熱、腫脹、咽喉の拘急(galagraha)、舌の強ばり、掻痒、外傷の創、ならびに泌尿生殖器の病(raktamehaを含む)—の処方と手技を列挙する。療法は煎剤、塗布薬(lepa/kalka)、薬油、nasya、basti、蛭による瀉血、散水・洗浄、食餌調整など。結びに季節と作法(ṛtu-caryā)として、後飲(pratipāna)、季節に応じたギー/油/yamakaの用い方、油剤後の禁忌、給水・沐浴の時程、厩舎管理と飼養法を説き、動物福祉をダルマの秩序と吉祥の果へ結びつける。

55 verses

Adhyaya 289

Aśvāyurveda (Medical Science of Horses)

本章は、『アグニ・プラーナ』の百科的な学修体系において、獣医アーユルヴェーダの専門領域へ導く見出し兼架け橋として置かれ、この区分が「アシュヴァー・アーユルヴェーダ(馬の医術)」であることを示す。アグネーヤ・ヴィディヤーの枠組みにおいて、馬の養護は単なる実用ではなく、生業・機動力・王権または共同体の安定を守ることでダルマを支える正当な諸学の一つとされる。章の配置は、プラーナの医知が人間の治療にとどまらず、種別に応じた健康管理へ及ぶことを示し、後続の手順的な方法と鎮静・和解の法へ読者を備えさせる。体系的教導の中で技術的指示も聖なる知として枠づけられ、正しい実践・正しい時機・正しい意図が身体の安寧を宇宙秩序と調和させると説く。

8 verses

Adhyaya 290

Chapter 290 — गजशान्तिः (Gaja-śānti: Elephant-Pacification Rite)

本章は(アシュヴァ・シャーンティの結びの後に)シャーリホトラが説く「ガジャ・シャーンティ(象鎮静・息災法)」の次第を示す。これはアーユルヴェーダ的獣医術と王権護持を兼ね、象の病を鎮め不吉な結果を退けるための実践儀礼である。まず日取り(パンチャミー)を定め、ヴィシュヌとシュリーをはじめ、主要神々、宇宙を調御する神格、ナーガの諸系譜を総じて招請する。ついで蓮華の曼荼羅を作り、神々の配置、アストラ(神聖武器)、方位神、諸元素を厳密に配し、外輪にはリシ、スートラ作者、河川・山岳を置いて、宇宙論を治療意図と結び合わせる。法具(四流の水を備えたクンバ、幡、トーラナ)と供物(薬草、ギーの護摩—各神ごとに数百回)が定められ、送神とダクシナー(布施)には専門獣医への謝礼も含まれる。雌象に乗って真言を誦し、王の灌頂に類する次第を行い、「シュリーガジャ」への護持の言葉をもって、象を戦・旅・家における王のダルマ的守護者として確立する。末尾では宮廷の段取りとして、象官や従者を顕彰し、ḍiṇḍima(大太鼓)を鳴らして吉祥を公に告げる。

24 verses

Adhyaya 291

Chapter 291 — Śāntyāyurveda (Ayurveda for Pacificatory Rites): Go-śānti, Penance-Regimens, and Therapeutics (incl. Veterinary Care)

本章はガジャ・シャーンティの結語から、牛を中心とするシャーンティ・アーユルヴェーダへと転じ、牛の福祉を王権の道徳的責務であり諸世界を支える宇宙的基盤であると説く。ダンヴァンタリはまず牛の浄化・聖化の地位と、パンチャガヴヤ類(尿・糞・乳・凝乳・ギー・クシャ草の水)の清浄力を示し、不運・悪夢・不浄の除去に結び付ける。続いて、段階的な贖罪行—一夜の断食、マハー・サーンタパナ、クリッチャ(熱/冷:タプタクリッチャ/シータクリッチャ)—と、日々の行いを牛のリズムに合わせるゴーヴラタを述べ、ゴーローカへ向かう功徳の教理に至らせる。牛を供物(havis)とアグニホートラの基盤、衆生の依処として讃えた後、治療(cikitsā)として角の病、耳痛、歯痛、咽喉の閉塞、ヴァータ障害、下痢、咳・呼吸困難、骨折、カパの症、血に関わる病、仔牛の滋養、グラハ除け・毒除けの薫蒸法を挙げる。末尾では暦に従うシャーンティ供養(ハリ、ルドラ、スーリヤ、シュリー、アグニ)、牛の施与と放免、さらに馬と象のための専門獣医アーユルヴェーダの系譜に触れる。

44 verses

Adhyaya 292

Mantra-paribhāṣā (Technical Definitions and Operational Rules of Mantras)

アグニは、マントラ学を bhukti(現世の享受・利益)と mukti(解脱)という二重の果をもたらす学と定義し、まず構造分類として bīja(種子)マントラと、より長い mālā(連珠)マントラを区別し、成就(siddhi)を担う音節数の閾値を示す。続いて、文法上の性とエネルギー類型(Agneya=火性・激烈、Saumya=温和)によってマントラを分類し、「namaḥ」「phaṭ」などの語尾が、息災や調伏の作法(uccāṭana、縛りの文脈を含む)においてマントラの作動力を転換し得ること、ならびにその制限を説く。章は実修へ移り、覚醒状態、吉祥な発声の起首、文字(lipi)とナクシャトラ(nakṣatra)の配列に関わる兆しと整えを述べる。マントラの完成は、正しい dīkṣā と師(guru)の伝授によって受け、japa(誦持)・pūjā(供養)・homa(護摩)・abhiṣeka(灌頂)から成る規律ある sādhanā により成ると強調し、師弟双方の厳格な倫理的資格を定める。最後に、誦持数の比例、護摩の分量、朗誦から黙誦(心誦)までの唱法、方位と場所の選定、tithi と曜日の神格、そして nyāsa(lipi-nyāsa、aṅga-nyāsa、mātṛkā-nyāsa)の詳細を規定し、万マントラを成就授与へと力づける原理として Vāgīśī/Lipi-devī を掲げて結ぶ。

51 verses

Adhyaya 293

Mantra-paribhāṣā (मन्त्रपरिभाषा) — Colophon/Closure

本章は、先行する教説「Mantra-paribhāṣā(真言用語の規定)」の正式な結語(コロフォン)として機能し、アグネーヤの実践体系における真言の術語と定義に関する技術的解説が完了したことを示す。『アグニ・プラーナ』の百科全書的な流れの中で、この種の結語は単なる写本上の印ではなく、mantra-śāstra(聖なる言葉の理論と正しい用法)から、真言・時機・診断が身体の危機対処(アーユルヴェーダおよび毒治療 viṣa-cikitsā)と交差する応用領域への転換を告げる。かくして本文は、正しい言語/儀礼の方法と、それを護持と治癒に実際に用いる働きとの連続性を保ち、śabda(真言という聖音)が世間の非常時においてダルマの道具となるというアグネーヤの特色を明らかにする。

41 verses

Adhyaya 294

Daṣṭa-cikitsā (Treatment for Bites) — Mantra-Dhyāna-Auṣadha Protocols for Viṣa

アグニ神は、daṣṭa-cikitsā(咬傷・刺傷の治療)に関するアーユルヴェーダの専門章を開始し、三位一体の療法—mantra(聖なる唱誦)、dhyāna(観想・禅定による集中)、auṣadha(薬剤の投与)—を示す。まず臨床上の緊急性を信愛の効験に結びつけ、「Oṃ namo bhagavate Nīlakaṇṭhāya」のジャパが毒を減じ命を護ると説き、viṣa(毒)を jaṅgama(蛇や昆虫など動物由来の可動の毒)と sthāvara(植物・鉱物由来の不動の毒)に分類する。続いて Viyati/Tārkṣya(ガルダ)マントラを中心とする儀礼的治療体系を詳述し、音調・音韻の区別、kavaca と astra の諸マントラ、yantra/maṇḍala(mātṛkā 蓮華)の観想、指と関節にわたる精緻な nyāsa を説く。五大(地・水・火・風・空)の色・形・主宰神を配した図式は、「反転/交換」の理法によって毒を拘束し、移し、滅するために用いられる。章末はガルダおよびルドラ/ニーラカṇṭha(青頸)に捧げるマントラ、耳への囁き唱誦(karṇa-jāpa)、護縛(upānahāva)、Rudra-vidhāna による礼拝を挙げ、解毒を医術であると同時にダルマの儀礼として位置づける。

29 verses

Adhyaya 295

Pañcāṅga-Rudra-vidhāna (The Fivefold Rudra Rite)

咬傷・刺傷の治療という前段の医療論に続き、アグニ神は、普遍の果報を与えるとされつつも毒と病からの護りに明確に向けられた「五支ルドラ儀軌」(Pañcāṅga-Rudra-vidhāna)を説く。本章はルドラの「五肢」を儀礼技法として、hṛdaya(心要・心の讃歌)、śiva-saṅkalpa、śiva-mantra、sūkta、pauruṣaと定義し、nyāsa(安置)と順次のjapa(誦持)を修法の軸に据える。さらに、マントラ構成要素の学術的配当として、ṛṣi、韻律chandas(Triṣṭubh、Anuṣṭubh、Gāyatrī、Jagatī、Paṅkti、Vṛhatī)およびdevatāの割当を示し、性標(liṅga)によるdevatā選択や、anuvākaごとのルドラ類型(Eka-Rudra、Rudra/Rudras)も述べる。結びでは治療的用法が明示され、trailokya-mohanaを敵・毒・病の制圧として用い、続いて12音節・8音節のヴィシュヌ=ナラシンハのマントラをvisha-vyādhi(毒と病)を滅するものと宣言する。さらにKubjikā、Tripurā、Gaurī、Candrikā、Viṣahāriṇī等の名号マントラと「Prasāda-mantra」を、長寿と健康を増す手段として挙げ、マントラによる予防というアーユルヴェーダ的層を拡充する。

19 verses

Adhyaya 296

Chapter 296 — Viṣa-cikitsā: Mantras and Antidotes for Poison, Stings, and Snake-bite

本章はアーユルヴェーダの章として、アグニ神がヴァシシュタに、真言の用法(マントラ・プラヨーガ)と応急処置および薬草処方を結び合わせた簡潔な毒療法(viṣa-cikitsā)を授ける。冒頭では、人工の毒・投与された毒、種々の毒素、ならびに刺傷や蛇毒による中毒を鎮める真言が示され、広がる毒を「雲のような闇」として引き抜き、真言の結びで封じ留めることが語られる。第二の法は sarvārtha-sādhaka と称され、種子真言(bīja-mantra)にヴァイシュナヴァの標章を合わせ、クリシュナへの祈請を含む。第三の「Pātāla-kṣobha」真言は、プレータの群の主たるルドラに捧げられ、刺され・蛇咬傷、さらには接触による急な中毒にも速やかな中和をもたらすとされる。続いて実際の治療として、咬痕の切除または焼灼を行い、śirīṣa、arka の乳液、辛味の香辛料などを含む解毒合剤を、内服・外用膏・点眼薬(collyrium)・鼻療法(nasya)など多経路で用いることが述べられる。

8 verses

Adhyaya 297

Vishahṛn Mantrauṣadham (Poison-Removing Mantra and Medicinal Remedy) — Colophon and Transition

本章は、真言(マントラ)と薬を結合した「毒を除く体系」であることを示す正式な奥書(コロフォン)をもって結ばれる。物語は『アグニ・プラーナ』の方法を保ち、アグニとヴァシシュタの対話の中で技術的知識を啓示として権威づけ、次のより詳細な治療章へ読者を備えさせる。この移行部は百科的構成の「蝶番」として機能し、一般的な解毒原理から、生き物別の処置規程へ—とりわけ蛇毒への対応へ—移ることを明確にする。枠組みは、アグネーヤ・ヴィディヤーが分断されないこと、すなわち真言の権威・正しい作法・応用薬理が、ダルマに導かれた医療の一つの連続体として示されることを強調する。

21 verses

Adhyaya 298

Bala-graha-hara Bāla-tantram (बालग्रहहर बालतन्त्रम्) — Pediatric protection and graha-affliction management

アグニ神は、出生以来乳幼児を悩ますと信じられる有害な「把捉の力」バラ・グラハ(bala-graha)を主題として、児科のバ―ラ・タントラを説き起こす。本章は診断と処置の順序を示し、(1) 四肢の落ち着きなさ、食欲不振、頸のねじれ、異常な泣き声、呼吸困難、変色、悪臭、痙攣、嘔吐、恐怖、譫妄、血尿などの徴候を見分け、(2) 症状群に応じて特定のグラハ、または時の標識(ティティ/日数、月次・年次の段階)を判定し、(3) 塗膏(lepa)、薫香・燻蒸(dhūpa)、沐浴(snāna)、灯明と香、方角・場所に基づく儀礼(例:ヤマの方角でカランジャ樹の下)および、定められた供物によるバリ供献(魚・肉・酒・豆類・胡麻の調製品・甘味)や、ある類には「食を伴わぬ」臭気ある供献を合わせて施す。結びに、バリ・ダーナの際の普遍の護り(sarva-kāmika)としてチャームンダー(Cāmuṇḍā)への守護真言が示され、アグニが実践的アーユルヴェーダを儀礼的予防と織り合わせ、子の健康と家の安寧をダルマのうちに回復させることを強調する。

51 verses

Adhyaya 299

Chapter 299 — ग्रहहृन्मन्त्रादिकम् (Grahahṛn-Mantras and Allied Procedures)

アグニ神は、幼児を守るためのグラハ除去儀礼から、グラハ障害に関するより広い臨床・儀礼の手引きへと移り、原因、罹りやすい場所、診断徴候、統合的対治を説く。本章は、いくつかの精神攪乱や病態を感情の過多と食の不相応に由来すると捉え、狂乱に似た状態をドーシャ起因、サンニパータ、さらに神々や師の不悦に結びつくアーガントゥカ(外来)要因として分類する。グラハの棲み処として、河川、合流点、空き家、壊れた敷居、孤木などを挙げ、社会・祭式上の過失や不吉な振る舞いが危険を増すとする。興奮、灼熱痛、頭痛、強迫的な物乞い、官能的渇望といった症候群が鑑別の標となる。治療としては、マハースダルシャナ等のチャンディー真言によるグラハ粉砕と、日輪内観想、日の出のアルギャ供、ビージャ・ニヤーサ、アストラ浄化、ピータとシャクティの安置、方位護持など精緻な儀礼技法を示す。さらに、山羊尿を用いるナスヤ/アンジャナ、薬用ギーや煎剤など実際的処方で、発熱・呼吸困難・しゃっくり・咳・アパスマーラに対処し、アグネーヤ・ヴィディヤーがアーユルヴェーダと融合した真言治療であることを明らかにする。

33 verses

Adhyaya 300

Chapter 300 — सूर्यार्चनम् (Worship of Sūrya)

アグニ神は、太陽神スーリヤ(Sūrya)への集中的なウパーサナー(Sūrya-arcana)を、悉地を生み諸グラハ(惑星神)の障りを鎮める修法として説き、あらゆる目的を成就し得る凝縮されたビージャ式(piṇḍa)を示す。本章はビージャ構成の原理(肢分の組み立てと bindu による完成)を述べ、さらにガネーシャの五つのビージャ群を普遍的な前行として統合する。すなわち方位礼拝、ムールティの配置、ムドラーによる封印、図像上の要点(赤い姿、持物、手の形)と、Caturthī などの遵守である。儀礼は続いて太陽—グラハのマトリクスへ展開し、沐浴、アルギャ供献、真言で加持した九つの水壺による九グラハ供養、ならびに特定供物(Caṇḍā には灯明、gorocanā・サフラン・赤い香・芽、穀物とハイビスカスに結ぶ布施)を詳述する。効験として、graha-śānti、争いでの勝利、家系/種子の欠陥の是正、真言を据えた触れ方と加持物(例:ベチバー)による影響法が挙げられる。頭頂から足先までのニャーサと、自身をラヴィ(Ravi)と同一視することが結びとなり、色に応じた観想が stambhana/māraṇa、puṣṭi、敵撃、mohana などの意図に対応する。かくして本章は、アグネーヤ・ヴィディヤー(Agneya Vidyā)において、信愛の礼拝と実際的成果を結ぶ橋としてスーリヤ礼拝を位置づける。

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