
マールカンデーヤは、ナルマダー河の南岸にある大いなる功徳の聖地「シャクラ・ティールタ」(Śakra-tīrtha)へと聞き手を導く。そこは積み重なった罪を除く地と讃えられる。その権威は由来譚によって確立される。かつてインドラ(シャクラ)はこの地で、マヘーシュヴァラ(シヴァ)への燃えるバクティをもって厳しい苦行を行った。ウマーパティは満悦し、天帝としての主権、王者の繁栄、そして敵対する存在(ここではダーナヴァ)を打ち破る力などの恩寵を授けた。 続いて章は教誡へ移り、カールッティカ月の黒分十三日(kṛṣṇa trayodaśī)に信愛の断食を行うことが、罪からの解放の手段として説かれる。悪夢や凶兆、さらにグラハ/シャーキニーに属するとされる悩ましい影響に関わる罪障も除かれるという。シャクレーシュヴァラのダルシャナは、生来積もった過失を滅すると述べられ、また浄化が約束される諸々の背徳行為も列挙される。最後に、天界の住処を願う者は信愛をもってダーナを行うべきこと、特に模範的なバラモンへ牛(または相応の役畜)を施すことが勧められ、聖地の約束する果報(phalāni)が簡潔にまとめられて章を閉じる。
Verse 1
श्रीमार्कण्डेय उवाच । ततो गच्छेत्परं पुण्यं नर्मदादक्षिणे तटे । शक्रतीर्थं सुविख्यातमशेषाघविनाशनम्
聖マールカンデーヤは言った。「それより、ナルマダーの南岸にある、さらに至聖の地へ赴くべきである。遍く名高きシャクラティールタ、あらゆる罪を滅する所である。」
Verse 2
पुरा शक्रेण तत्रैव तपो वै दुरतिक्रमम् । प्रारब्धं परया भक्त्या देवं प्रति महेश्वरम्
昔、シャクラはまさにその地で、至上の信愛をもって神マヘーシュヴァラに向かい、越え難き厳しい苦行(タパス)を始めた。
Verse 3
ततः संतोषितो देव उमापतिर्नराधिप । देवेन्द्रत्वं वरं राज्यं दानवानां वधं ददौ
そのときウマーの主は満悦し、王よ、彼にインドラの位と王権の恩寵を授け、さらにダーナヴァ族を討つ力を与えた。
Verse 4
लब्धं शक्रेण नृपते नर्मदातीर्थभावतः । ततः पुण्यतमं तीर्थं संजातं वसुधातले
王よ、シャクラはナルマダーのティールタの聖徳によってこれを得た。ゆえにその地は大地の上で最も功徳深きティールタとなった。
Verse 5
कार्त्तिकस्य तु मासस्य कृष्णपक्षे त्रयोदशीम् । उपोष्य वै नरो भक्त्या सर्वपापैः प्रमुच्यते
まことに、カールッティカ月の黒分(暗半月)の十三日に信心をもって断食する者は、あらゆる罪から解き放たれる。
Verse 6
दुःस्वप्नसम्भवैः पापैर्दुर्निमित्तसमुद्भवैः । ग्रहशाकिनिसम्भूतैर्मुच्यते पाण्डुनन्दन
パーンドゥの子よ、悪夢から生じる罪、凶兆から起こる罪、また惑星とシャーキニー(śākinī)に由来する災いの罪から、人は解放される。
Verse 7
शक्रेश्वरं नृपश्रेष्ठ ये प्रपश्यन्ति भक्तितः । तेषां जन्मकृतं पापं नश्यते नात्र संशयः
王の中の最勝者よ、信心をもってシャクレーシュヴァラ(Śakreśvara)を拝する者には、幾度もの生により積まれた罪が滅する。疑いはない。
Verse 8
अगम्यागमने चैव अवाह्ये चैव वाहिते । स्वामिमित्रविघाते यन्नश्यते नात्र संशयः
近づくべからざる者に近づくこと、運ぶべからざるものを運ぶこと、また主君や友を害することから生じる罪でさえも滅びる。疑いはない。
Verse 9
गोप्रदानं प्रकर्तव्यं शुभं ब्राह्मणपुंगवे । धुर्यं वा दापयेत्तस्मिन् सर्वाङ्गरुचिरं नृप
王よ、すぐれたバラモンに吉祥なる牛の布施をなすべきである。あるいは、轭(くびき)につながれた役牛を、全身端正なるものとして施すがよい。
Verse 10
दातव्यं परया भक्त्या स्वर्गे वासमभीप्सता । एतत्ते सर्वमाख्यातं शक्रेश्वरफलं नृप
天界に住まうことを願う者は、至上の信愛をもってこれを施すべきである。かくして王よ、シャクレーシュヴァラ(Śakreśvara)の果報はすべて汝に説き明かされた。
Verse 61
। अध्याय
「Adhyāya(アドヒャーヤ)」—章の区切りを示す章標であり、写本伝承における節の境界を表す。